下請け業者に製造委託した金属製品などを検品せずに「不良品」として返品したとして、公正取引委員会は21日、鉄鋼商社の大手「佐藤商事」(東京都千代田区)の下請法違反(返品の禁止)を認定し、再発防止を勧告した。返品は計約1435万円分で、同社はすでに全額支払ったという。
下請法は、納品された製品を品質検査をせずに返品することを禁じている。公取委によると、佐藤商事は2023年2月~24年4月、自動車や建設機械の部品などの製造を委託した下請け業者19社に対し、納品時の品質検査をせずに、「傷がある」などとして代金計約1435万円分を返品したという。
また同社は23年3月~24年2月、81の下請け事業者に対して支払代金の遅延があったとして、公取委は同法違反(支払い遅延の禁止)で行政指導も行った。遅延の利息分は総額計約3277万円で、同社はすでに全額支払ったという。